SUMMER BREEZE / 中山美穂 

風の噂では(べつに噂でもなんでもないけど)
復帰するとかナントカ言われている我らがミポリン!(おめぇだけだよ!って?)
このアルバムは
作家の妻でもお母さんでも何でもない頃
まだあどけなさが色濃く残る16歳の夏
1986年に発表された通算3枚目のアルバムである

売り出し中のアイドルらしく
非常に豪華な作家陣によって構成されている
01/05/06は井上大輔作曲によるもの
02は財津和夫作曲、松本隆作詞、大村雅朗編曲という松田聖子ばりの布陣
ちなみに財津は09の作曲も行なっている
04/08は来生たかおが作曲を担当
以上のように
当時のアイドル歌謡フォーマットを踏襲するような顔ぶれに目を見張らせる

加えて肝心な御仁の参加・・・
よく知られていることだが
もう一人大事なコンポーザーが参加しているのだ

03「Leave Me Alone
 作詞・曲・編は角松敏生
 低音がドンドン効いているミディアムナンバー
 角松プロデュース作品の中で、僕はかなり好きな一曲
 角松単独のコーラスが入っていて声がよく分かる
 感想ギターソロも、その弾き加減から角松プレイによるものだろうと思われる
 メロウなSaxソロもナイスだがこれは誰だろうか
 プログラミングの分野ではおそらく
 当時の角松ソングの要であったキーボードの林有三が絡んでいるのではないか
 ま、そんな音作りである
 ミポリンの目一杯背伸びしたボーカルが初々しい
07「Rising Love
 同じく角松作品でディスコを意識した楽曲
 角松作品で言えば「This is my truth」的なハジけたプログラミングである
 間奏におけるシンセの使い方は(そのフレーズまでも)
 角松アルバム『TOUCH AND GO』一曲目「Take Off Melody」と酷似している
 ラストのコーラスなどは角松の独壇場
 完全にミポリンを押しのけて歌っている
10「You're My Only Shinin' Star
 言わずと知られたミポリン代表曲
 そのオリジナルがここにある
 もちろん角松作品であることもよく知られている
 この曲の良さは楽曲そのものにあることは確かだが
 ストリングスとブラスのアレンジが伴って成立していることにも目を向けたい
 そのストリングスアレンジは大谷和夫の手によるもの
 方やブラスアレンジは数原晋である
 いずれも角松作品でお馴染みの面々
 この両人によるサウンド構成が実に見事で聴き惚れてしまう
 すでに最初(この作品時点)でしっかり音が完成されていることが伺え
 もし現在、この音にミポリンなり角松なりが新たにボーカルを乗っけても十分イケるだろう
 間奏のトランペットソロなんか、一向に色あせない音色だ


他にちょっと補足だけど
アルバムの製作やエンジニアに関しては
主にキングレコードのスタッフがあたっている
そんな中で目を惹く名前が一人・・・
アソシエイトエンジニアとして内沼映二の名前が見える
僕のブログでも角松作品で何度かその名前を挙げているが
本作品におけるアイドルらしからぬ重厚かつクリアなサウンドの一端に(いや全般か)
紛れもなくこの人の仕事が反映されていることは
疑いないことだろうと思う
 

GREATEST HITS / ダンス☆マン 

2002年6月19日リリースのダンス☆マンのベストアルバム
それまでリリースされた4枚のアルバムからセレクトされている

ダンス☆マンは、まあ・・・
なんじゃら星から来たナントカ・・・とかいう話があるが
早い話が元JADOESの藤沢秀樹である(ホンマに早いな!)
その藤沢が洋楽のダンスクラシックナンバーをカバーして日本語で歌っている
そのカバーというのはいわゆる”空耳”(タモリ倶楽部とかでありますね、あと関西なら昔のヤン金「ききこんだら」とか)で
要は、そんなふうに聴こえまっせーというやつである
たとえばこのアルバムなら

02「接吻のテーマ
 原曲はEARTH WIND&FIREの「SEPTEMBER」
 ”せぷてんばー”が”接吻のてーま”・・・うまいっ!
07「じゃあ、明日にすれば?
 原曲はGROVER WASHINGTON JR.の「JUST THE TWO OF US」
 うまいでしょう? ホントよく考えつくよなぁ
 この曲のイントロの打ち込みなんか、ジャドーズ作品の匂いが・・・

他にも
 「バスタオル舞うお風呂
 「いつもゴールデンかラブラドール
 「寝たのね
などなど
楽しいタイトルばかり
このどれもがあの有名曲この有名曲
歌詞には全く内容が無いといえば無いのだが(無いことも無いけど)
その「無い」ことが良いのである
逆に持たせてしまうと、どこまでもおかしなことになりそう
ただのヘンなカバー集になってしまいかねない

いやはや、サウンドはかなり聴き応えがある
打ち込みはかつて角松敏生より鍛えられているし
ピアノを入れたりギターを挟んだりという手法は
その歌詞世界におけるパロディ性とはうらはらに、どこまでも”音楽的”だ
それは本当に驚くほどで、幾重にも音が重なっていてすばらしい
ダンス☆マンのアレンジセンス(能力)の高さは巷でかなり好評価されているようだが
実際聴くと、それが全く疑いないないことが分かる
その真実性に感嘆させられることになるだろう
それから何より、ダンス☆マンのボーカルはナイスだ!

カバーが連なる作品群の中で
06「恋と愛の天国
 これについてはダンス☆マンのオリジナル
 こいつが実にファンキーでメロディアスでカッコイイ
 言っちゃいますよ・・・そのままジャドーズ作品にしても構わない!
 それくらいノリが良い
 特にイントロのメロディーなんかそれっぽい
 まあ、同一人物だから当然と言えば当然なんだけど・・・

ダンス☆マン、後に全曲オリジナルというアルバムも出しているみたいだ
それもぜひ聴いてみたいなぁ  

で、おまけ
僕の持つアルバムにはDISC-2として7曲入りのDVDも一緒に入っている
これ、初回版だけなのかな?
一曲目の01「JAZZ SOUL FUNK」なんかは
目頭がアツくなるほどのおもしろさ、である

Thinking Out Loud / BONNIE PINK 

我が家の風呂場には防水仕様のポータブルCDプレーヤーがある
僕はあまり利用しないのだけれど、娘と連れ合いにとっては欠かせないアイテムらしい
それで現在最もヘビーロ−テーションなのがボニーピンクのこのアルバム
誰が一番気に入っているかと言うと娘(小3)だけど

2007年7月25日リリースの通算9枚目
僕の中でボニーピンクは全くの守備範囲外だったのだが
昨年あたりにCM(日産モコ)でよく流れていた01「Gimme A Beat」を聴いて
これを素直に気に入ってしまったのだ
連れ合いの方はわりと初期のボニーピンクを聴いていたらしく
じゃあ今にして折り合いが良いということでレンタルしまっか? ということで入手した
最終的に、これを一番気に入ったのは娘というわけだ

なんと言っても
01「Gimme A Beat
が聴きやすい
なかなかの爽快ポップスだ
曲の良さもあるけれど、彼女のボーカルというのは思いのほかクセがない
かなり良質な歌声だと思う
パワーがある一方、案外「しなやか」だという印象を受ける
この手の日本人ロック系歌手の中で
そんな風に感じさせられたことはちょっと記憶にないなぁ
リズムギターのフレーズが実に特徴的で
この曲をかわいらしい感じに仕上げている

他には
ワイルドな音使いとボーカルの、05「Imagination
シングル曲として先行リリースされていた、09「Water Me
元気な印象いっぱいの、12「Anything For You
あたりがナイスだ

ところで話はバスタイム(なんで英語?)なのだが
このボニーピンクが流れている風呂の中で
ちょっと前、娘とこんな会話になった
 娘「今日学校で、歌手の中で誰が好きか書く――っていうのやった」
 僕「ふ〜ん、それで? 誰にしたん?」
 娘「えーっと、誰やったかな・・・あっ、大塚愛って書いたかな・・・」
 僕「へっ? 大塚愛なんかふだん全然聴いてへんやん」
 娘「いや・・・みんなそう書いてるし・・・」
 僕「そんなん、自分がホンマに好きなの書いたらええねん、コレ(ボニー)は?」
 娘「あ、そうか、忘れてた・・・でも大塚愛、可愛いし・・・」
 僕「中島美嘉は? 『雪の華』」
 娘「あっ、それも忘れてた」
 僕「アレや、肝心の山下達郎忘れてるやないか!『DOWNTOWN』」
 娘「そんなん誰も知らんやろっ!」(←間髪いれずのツッコミ)
 僕「ほんなら、あれはどうや・・・ディメンション!」
 娘「もっとみんな知らんやろ! それはとう(父)やろっ!」(←もっと激しいツッコミ)

そう言えば、僕も小5の頃
女子がそんな紙を全員に配って同じ設問を与えられたことあった
その時僕が正味聴いていたのは西郷輝彦のシングルや松崎しげるだった
思い浮かんだけどやっぱり書かなかった
結局、まわりのを覗き込んで「松田聖子」「近藤真彦」なんて書いたっけなぁ

昔も今も、ま、たいして変わらんこともあるわな――

ALL FOR YOU / 中山美穂 

このアルバムジャケット写真の頃
もうすっかり大人な感じになったみぽりん
(なんか出だしからすでに怪しい・・・)
目線や立ち居振る舞いなんかがそれまでの「少女」とは変わって
徐々に大人の女の人になりつつある・・・のね
芸能人のハタチ頃か〜
もはや大人の色気がムンムンムンムンぶぶぶぶブーーー(鼻血出たっ!)

というわけで
音楽路線もそれまでのちょっと背伸びした感じから
本格的にしっとり大人な雰囲気で――という按配
リリースは1990年3月16日
ちなみに同時期に中山美穂が出演していたドラマは『卒業』(TBS系)
このドラマもなかなかナイスだったなぁ
女性陣が中山美穂・仙道敦子・河合美智子
男性陣が織田裕二・永瀬正敏・的場浩司
脇を固めるのが井川比佐志・稲川淳二、加えて佐藤慶(なんでここだけ太字!)
それでそれで主題歌がドリカム
おいヨォ〜、なかなかでしょう〜
まあ出演陣も売り出し中の豪華メンバー揃いだが
何せ脚本が秀逸だった
ちゃんと書き込まれていてじっくり見せるタイプ
2008年の今時期、脚本なら韓国ドラマの方に軍配が上がると思うが
かつては日本にもじっくり見せるシナリオが普通にあったのだ

さてアルバム
全体的に抑え目のトーンでミディアム〜バラード中心
冬の終りから春先をイメージしているのかな

02「Save Your Love
 作詩は中山美穂、作曲はすっかり中山作品でお馴染みになったCindy
 編曲は鳥山雄司が担当、オリジナルアレンジは鳴海寛
 中音域を強調したナチュラルなサウンドとボーカル
 それまでのダンサンブル路線から一線を画した感がある
04「Semi-sweet Magic」(Album Version)
 詩・松井五郎、曲・Cindy、アレンジ・Rod Antoon
 Cindyはコーラスアレンジも担当している
05「My Love Is All For You
 作詞作曲が中山美穂、アレンジが十川知司
 これ、みぽりん一人で作ったのかな?
 とても良いメロディーでちょっとホンマにビックリだ
 楽器の方はエレキギターの軽めの音がすごく良い
 誰だろう? 昔のユーミンのアルバムで聴かれるような音だけど
06「Midnight Taxi
 ちょっとジャジーな雰囲気を持つバラードナンバー
 こんな曲を歌うなんてかなり驚いたゾ
 作詞作曲は飛鳥涼
 飛鳥による、転調が特徴的で変則的なメロディラインが耳に残る
 ハーモニカの間奏ソロも凝った感じだ
 にわかにアイドルのアルバムだとは思えないくらいである

ざっとお気に入りを挙げるとこんな感じ
他にも09も中山美穂自身による作詞作曲
07と08はシンガーソングライターの上田知華による楽曲
いずれも粒ぞろいである

 ☆YouTube Midnight Taxi

Denim / 竹内まりや 

2007年5月23日にリリースされた前作より6年振りのフルアルバム
5月の青い空を見ながら聴くのがやっぱり「グー」かもしれないけど
なにせクリスマス向けの極上ソングが入っているもので
今時期に聴いてみることにしようではないか

このアルバムの特徴を言うのなら
「今までの竹内まりや」と「今までなかった竹内まりや」が見事に混在していることだろう
「今までの」的で分かりやすいのは09「クリスマスは一緒に」あたり
「今までになかった」のは12「人生の扉」に代表されるだろうと思う
で、僕は「今まで」の方が好きだ
特別これに理由はない
一方の「今までになかった」方も悪くはない
特に、竹内まりやと同世代の人には細かく伝わるものかもしれない
あと、ボーカルが上手くなりすぎ(?)ているのかな?
一歩間違えば演歌(歌謡)の領域にも行ってしまいそうな場面があって
少しだけハラハラする
にしても、やはり全体のクオリティは高い
ゆっくり長く聴きこみたい一枚である

02「スロー・ラヴ
 竹内まりやらしいポップな一曲
 山下達郎によるサウンドサポートもお馴染みの様相
 かの名アルバム『VARIETY』にそのまま持っていけそうな歌だ
04「みんなひとり
 特にAメロ、続くBメロの良さは極上だ
 サビは好き嫌いが分かれそう
 タツローのギターが絶妙に効いている
 松たか子がバックボーカルで参加
 「竹」に「松」と揃っているのでいっそ「梅」も欲しいところだ(なんのこっちゃ)
07「Never Cry Butterfly
 作詞杉真理、作曲杉真理伊豆田洋之によるスロー
 なんとも言えない哀愁あるメロディー
 反してボーカルは力強く聴かせる
 まりや&タツローのみではたぶん出てこない雰囲気
 不思議と惹きつけられてしまう歌だ
09「クリスマスは一緒に
 たまらんなぁ、こういう曲は
 良い、とても良い
 プラスティック・ラブの姉妹曲のよう
 僕はプラスティック・ラブが大好きなのだ
 オーソドックスなホーンも好感だし
 国分友里恵がバックボーカルで参加しているのもうれしい
 トランペットは数原晋、サックスに平原まことなど
 これ以上何を望むと言うのか
10「終楽章
 なかなかいいぞ、これ
 タツローサウンドがしっかりこの曲を支えている
 「ENDRESS GAME」(山下達郎/'90)のイメージがダブる
 これがもし
 ストリングスなんかが壮大に入った素直なアレンジだったら
 竹内まりやではなくて高橋真梨子の歌になってしまいそう
 味付け云々ではなく、そこが根本なのである
 このアルバムにおける竹内まりやのボーカル傾向に
 ひょっとしたらこの曲が一番合ってんじゃないだろうか
 
まだまだ発見がありそうなアルバムだ
まあ、急がずにボチボチ聴いていこう