Olympia 2000 / AHMAD JAMAL
アーマッド・ジャマル
かのマイルス・デイヴィスが
この人のピアノに惚れ込んだというのは有名な昔話
しかしこの作品は2000年のリアルプレイ
ジャマル70歳の記念ライブ、70歳!
2000年にパリのオリンピア劇場で収録されたライブアルバムだ
これがもうサイコーにナイスなアルバムだ
洒落ていて味わい深くてノリノリで情感たっぷり
このアルバム、特に
04「My Foolish Heart」
の演奏で一気にジャマルの虜になった
この曲はビル・エヴァンスの演奏でも特に有名で
キースジャレットなどの演奏もすばらしいバージョンがあるが
しかしジャマル、全く違う味付けの演奏で聴かせる
そもそもピアノに関する解釈と方法が全く違う感じ
ブロック・コードと言われる複数音の連弾
って言うか、メロディー普通に全然弾いてないし・・・
崩しまくりやし・・・
しかしそれがもうなんとも・・・
ここでのメロディー演奏は基本的にテナーサックスのジョージ・コールマンの仕事
このダンディーなサックス音がしっかりと曲を形作るのだが
その背後で抜群のジャマル節が炸裂する
いわばコールマンのサックスがあっての魅力とも言えるが
しかしそれでも、このピアノの存在感は何?
そうなのか、ピアノってこういう弾き方もあるのか・・・
と感動すら覚える
おまけに、ベースの音がことさら際立っている
逆に言えばベースがあやふやだとジャマルが死ぬ
そういうピアノであってトリオ(カルテット)なのだ
ピアノを主役とした構成でここまでベースが浮かび上がってくるというのは
やはりジャマルのピアノが他の楽器をも引き立てる要素に溢れているということ
それなのにピアノが抜群の存在感を持っているという・・・
スゴイ、素敵な音楽だ!
全部で6曲
しかし1曲あたりの演奏時間がたっぷり
01が12分
02が10分
03が11分
04が13分
05が6分
06が9分
以上、秒切捨てでこのタイム
聴き応え十分なのだ
02「How Deep Is The Ocean 」
なんかもかなり極上だ
酔え!
ベースはJames Cammack
ドラムはIdris Muhammad
発売はフランスのレーベル「ドレフュス」から
ネオン写真のCDジャケットもとてもいい感じ
一夜のアツい空気が伝わってくる
- [2009/06/07 ]
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Haunted Heart / Eddie Higgins Trio
1997年、ヴィーナスレコードよりリリースの作品
1932年生まれのベテランピアニスト、エディ・ヒギンス
彼が奏でる極上かつ上質なスタンダード・ジャズアルバムである
オープニングから一気に引き込まれる
01「My Funny Valentine」
とにかく洒落た感じがする
しかしながらピアノの音はかなり力強く聴こえる
このアルバムはジャズアルバムにしてはごく最近の録音
1997年6月にニューヨークのクリントン・スタジオ”A”にて
よって非常に聴きやすいサウンドとなっている
02「Haunted Heart」
ビル・エヴァンスの『Explorations』で有名な一曲
これがもう、美しすぎるほど・・・
やや耽美的なイントロから
ウェットな感じで行くと思いきや
すばやくテーマに入ってからは
ベース&ドラムと一体となって案外軽やかに進行していく
聴かせ所を明確にしたかのような音の出し方
素直に耳に届いて心地よい
ストレートで全く嫌味のないフレーズとサウンドだ
06「Someone To Watch Over Me」
大好きな曲なのでうれしい
ガーシュウィン兄弟作
キース・ジャレットとかマッコイ・タイナーとかの演奏を聴いてきたけど
このエディ・ヒギンスバージョンもかなりイケる
端正の中にも情熱がある感じ
3曲だけ簡単に挙げてみたけど
とにかく、全曲同じように調子を維持して決して逸脱せず
トータルな雰囲気を一切壊していないので
安心して聴けるナイスな作品だと思う
05「How My Heart Sings 」
09「Isn't It Romantic? 」
なども必聴
じっくり聴いてみたい
全体を見ると一瞬
エヴァンストリビュートかと思いたくなるようなラインナップだが
聴き終える頃には
エディ・ヒギンスの音とフレーズにどこまでも酔うことになるだろうと思う
パーソネルは
ピアノ エディ・ヒギンス
ベース レイ・ドラモンド
ドラム ベン・ライリー
☆あっ! あった! おまけ!
Eddie Higgins Trio / Someone To Watch Over Me
- [2009/05/17 ]
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しげぞうコラム36 ええわ〜〜
スポンサーサイトの自動記事、鬱陶しいな!
(一ヶ月更新しないと現れる・・・)
もっとゆっくり音楽聴かせなさいっ! ちゅう話ですが
仕方ないのでとにかくひとつ
最近出会ってたちまちハマってしまった人
アーマッド・ジャマル(Piano)
この映像はジョージ・コールマン(sax)とのコラボ
ナイスなパフォーマンスをとくとご覧あれ
☆ George Coleman & Ahmed Jamal 「My Foolish Heart」
- [2009/05/09 ]
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PRIMAVERA / 森川七月
「こんなアルバムがあったらいいのに・・・」
と思っていて
本当に望む音楽に出会えた時のヨロコビというのは
もう何物にも代えがたいものですね
で、聴きたかった音楽(常々聴きたいと思っている)は
・コンテンポラリーな雰囲気を持ったジャズ系サウンドである
・基本的に時と場所を選ばない内容である
・しかし明確なテーマ性を持っていて内容がハッキリしている
・ボーカルは女性で、歌がとてもうまい
・その人は美しい
・歌う声は、しっかりしていて、どっしりしていて、なおかつスウィートである
・アレンジが現代的で極めて洗練されている
・バックのサウンドが高度に技術的ですばらしくカッコ良い
・ジャケット写真がナチュラルで素敵である
・値段がアホみたいに高くない
そんなんあるんか?!(←誰?)
しかしここで間違えてはならないのは
・コンテンポラリーと言っても、ロックやポップスに傾倒していない
・時と場所を選ばないけれど、ある一定の時間帯や季節感は大事にしている
・内容はハッキリしているけれど、決して頑固で硬直的ではない
・歌はうまいが、新鮮な勢いも内包していて欲しい
・美しいけれど、それは中身から滲み出てくるものも合わさっている必要がある
・歌声のどっしり感は腹からしっかり声が出ているもので、決して野太いのではない
・アレンジは、ジャズを中心に様々な音楽を体験的に理解していることが必要
・演奏は打ち込みだけでなく、ちゃんとプレイもされていなければならない
と言うことなのである
やかましいなっ!(←また誰?)
森川七月(もりかわ・なつき)
1985年生まれの23歳
関西を中心に活動しているジャズシンガーだ
それでこの人、歌が非常にうまい
それでもって、声が女性にしてはテナー、低めでどっしりしている
しかしその低めなのが全く重くないのだ
逆に透明感さえ感じられるほど心地よい声をしている
こんなシンガーいたんだなぁ――と感動
森川七月の3rdアルバム『PRIMAVERA』
ジャズのスタンダードを8曲並べたボーカル作品だ
全体のサウンドはコンテンポラリーで非常に聴きやすい
そのサウンドを構築したのはDIMENSIONである
DIMENSIONは増崎孝司(G)・勝田一樹(Sax)・小野塚晃(Key)の3人からなるフュージョンバンド
この3人がサウンドプロデュース/アレンジと演奏を担当
森川がまず歌いたい曲を選び、ディメンションの3人がアレンジ、それに歌をかぶせたという
出来上がった音世界というのは実に刺激的で心地よい
ディメンションの3人は彼ら自身のアルバムでも様々な音楽をやっているし
そもそも3人とも、それこそロックからジャズからポップスからいろんなバックを務めてきている職人集団
引き出しの数が非常に多く、しかも洗練された内容の音楽を展開する
このディメンションサウンドに森川七月のボーカル世界というのが見事に合っている
いくらプロデュースが良くても主役との相性が良くなければいけないし
何より主役が魅力的でないと話にならない
そのへん、ディメンションはあくまでも「音」を専門とするインストバンドであり
森川は逆にボーカルを専門とする歌い手であるがゆえに
そこらへんの関係性がうまく成り立ったのだと思う
01「Alfie」
ご存知、バート・バカラック作曲、ハル・デヴィッド作詞のスタンダード
僕も大好きな一曲で、これまでに少なくない数のバージョンを聴いてきたが・・・
ハイ、ここでの森川バージョンが一番です!
めっちゃ気に入ったゾ、森川七月!
ストリングスによる暖かな雰囲気の導入に一瞬ハープ(たぶん)が絡み
キラキラした音が入って勝田アルト(たぶん)サックスによるエモーショナルなイントロ
そして森川のボーカルが
〜What's it all about,Alfie?
と、すっと滑り込んでくる
〜Is it just for the moment we live?
と続く”moment”の所の歌い方なんか
「アンタホンマに23歳でっか?」
と突如としてそこらへんのオッサンになってしまいそうなほどセクシーだ
えーっと、ここで断っておきますが
今回アルバムには楽器の詳細が載っていないので
楽器については正直あてずっぽうです
プログラミングは小野塚晃によるものだろう
Alfieの持つ雰囲気をさらに極上にする柔らかなサウンドだ
キーボードの音選択が非常にマッチしていて
80年代のブラコンあたりでよく聴かれた音色――と言って分かるかいな?
サビに入ったあたりで勝田サックスが絡むが、これが非常に粋
森川の伸びやかでしなやかなボーカルに
勝田のサックスが適度に絡む
終盤、曲はおだやかな雰囲気
最後は勝田の超メロディアスフレーズで終わり、ブルッ(←寒気きてる)
02「Day By Day」
1945年のナンバーで
”日に日にあなたと恋に落ちていく”ってなサミー・カーンの歌詞もいい
アルフィーから一転
こちらはボッサ調アレンジでまた良い感じ
増崎アコースティックギターが心地よく響く
勝田サックスの音は、低音域がズバーンとしているからおそらくテナー
ワンコーラス終わった後の間奏で確かなブロウが聴かれる
勝田サックスに続いて小野塚晃はアコースティックピアノ
これらのナチュラルなサウンドに森川の低めの声が見事に合う
こういうアレンジは最近
いわゆるカフェ系のサウンドとしてよく聴かれるものかもしれない
そのだいたいは「ボッサ&ジャズ+軽いタッチのボーカル」というのが相場で
鼻から抜けるボーカルと軽いノリがどうも僕はキライで全く聴かない
森川の場合はそれらと完全に異質
同じ曲を歌っても、こちらは芯があるというか生真面目さがあるというか
とにかくボーカルの力を感じさせられる
ピアノのジャズフレーズと森川の芯あるしなやかなボーカルは
たとえるならイリアーヌ的な”ほんまもん”の匂いがする
03「I Will Wait For You」
フランス映画『シェルブールの雨傘』テーマ曲として有名
アコースティックギター主体の構成
フランスかスペインか・・・といったあたりの匂いのする音色
弦を弾く音までしっかり分かるような静けさの中
森川のボーカルはわりとパワフルな感じで歌われる
ギターに絡むサックスはソプラノサックス
こういう選択が出来るディメンションというのはスゴイなぁ
04「Feel Like Makin' Love」
ロバータ・フラックが70年代に歌った曲
おっ! そうくるかっ!
とにわかに前のめりになるような出だし
ジャズのテイストをキープしつつ
ファンクの匂いもプンプンする秀逸なアレンジに一気にヤラれる
わりと早めのテンポでも森川のボーカルはOK
元気良いアレンジとはうらはらな、抑え目なボーカルが逆にイケる
やるな、森川七月
これまた勝田サックスのラストフレーズがたまらんたまらん、ブルッ!!
05「As Time Goes By」
1931年という古いナンバー
映画『カサブランカ』で有名になった
ここでのアレンジはかなりジャジー
特にピアノのフレーズはそこかしこで”本気モード”
渡辺貞夫バンドでも活躍する小野塚晃の本領発揮といったところ
サックスはソプラノサックス
そのフレーズといい雰囲気といい
ディメンションのアルバム『Melody』(16作目/2003)でのサウンドを思い起こさせる
それにしても、森川七月のボーカル
なんて豊かなボイスかつ歌なんだろう――
「歌の表情」という点で言えば、この曲がピカ一か
06「What a Difference a Day Made」
マリア・グレベール作詞曲
オープニングから、聴けばそれと分かるディメンションサウンド
もし知らないで聴いても、ディメだと当てられる自信アリ
クラブジャズ系のサウンドによる構築で
リズムプログラミングの体裁は
勝田一樹のソロプロジェクト「JAFROSAX」的味付けも施されているように思う
とにかくゴキゲンなアレンジ
ジャズエッセンスは極少だけれど逸脱していない感じ
アルバム中、異色と言えば異色の一曲
しかし、ええなぁ
こういうの全曲だとしても、それはそれで聴けそうだゾ
07「This Masquerade」
レオン・ラッセル作による1972年の曲
カーペンターズで有名
ここではボッサ調アレンジでぶちかます
出だしなんか、本当にイリアーヌの向こうを張るようなサウンド
かなりジャジー
ちょっとけだるい感じの森川ボーカルの出だし
そうか、そんな歌い方も出来るのか――
情感たっぷり
今後、さらに深まりを見せたら恐ろしいボーカリストになりそう
もうその片鱗は十分にアリ
08「Cry Me a River」
1953年のナンバー
ジュリー・ロンドンが歌ったことで有名
一曲目に持ってきてもおかしくないようなアレンジ
全体的にトラディショナルな感じが漂う
こちらもおそらく勝田サックスはテナー
夜の雰囲気といった感じだ
以上8曲
欲を言えば、この8曲で30分そこそこというのは少し短い気がする
価格も¥2300と比例してリーズナブルだから良いのだけど
つまり、もっと聴きたい! と思ってしまうのである
せめてあと2曲欲しい
計10曲¥2500というセンが良かったのではないか
12曲¥2800でもいいぞ
14曲¥3000でも買うぞ
そして、聴いている最中から思ったのだが
ぜひ、この両者がコラボレートするライヴを聴いてみたいと思った
スタンダードに加え
ディメンションのオリジナル作品に森川のボーカルを加えてもおもしろい
そんなDVDが発売されたら絶対買う
ちなみにリリースは2009年3月25日でついこの前のこと
僕は本作を買うのに、久しぶりに「予約」というものをした
発売が待ちきれないなんて本当に何年ぶりのことだったろう
アルバムタイトルの『PRIMAVERA』はプリマヴェーラと読む
なんでもイタリア語で「春」といった意味を持つらしい
”愛の歌”をテーマにした作品世界はそれにふさわしい内容
春の宵にふんわりと、いつまでも聴いていたい
☆当ブログ左側メニューにあるHMV検索窓での検索は
カタログ番号検索 GZCA5179 でどうぞ
☆森川七月 公式サイト
リリースのところで全曲試聴できます
- [2009/04/06 ]
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STILL LIVE / Keith Jarrett Trio
キース・ジャレット・トリオが1985〜87年に行ったスタンダーズ・ライブ
これは1986年7月13日、ミュンヘンのフィルハーモニック・ホールでのライブを収録した作品
有名なスタンダード曲がめじろおし
DISC-1では03「When I Fall in Love(恋におちたとき)」
DISC-2では03「You and the Night and the Music(あなたと夜と音楽と)」
なんかも相当に良いのだけれど
とりあえず特に気に入ったものを2曲ご紹介
DISC-1
01「My Funny Valentine(マイ・ファニー・バレンタイン)」
なんとなく「日本的」なメロディーをも感じさせるキースの独創的なイントロ
美しいと言うよりは、端正で折り目正しい感じ
どこかのお寺で聴いても良さそうだ
2分過ぎからいよいよメロディー(テーマ)に入っていく
ゲイリー・ピーコックのベースが待ち望んだように入り
ジャック・ディジョネットのシンバルが空気を壊さないように静かに音を刻む
最初、それがマイ・ファニー・バレンタインだとは気づかないほど
まるで別の曲に聴こえるほどアレンジされていて驚く
キースの流麗なピアノは曲の中盤から全快
例のうなり声も終始発せられるようになってノっているのが分かる
6分を超えるあたりからは圧倒的なスケールと音の数
とにかく隙間なく音が出てくる感じ
三者の見事なインタープレイだ
僕が最も好きなのは9分18秒〜22秒あたりのフレーズ
ここのメロディーがたまらない!
ベースの「沿い方」も抜群で
忘れちゃ困ると言う感じで22秒の所
シンバルが強めにシャ・シャンシャ〜ンと鳴るところもいい
それからラストは案外ダーク
余韻を残して終わる
DISC-2
01「Come Rain or Come Shine(降っても晴れても)」
ハロルド・アーレンとジョニー・マーサーによる1946年のナンバー
多くのアーティストが愛奏しているスタンダード
キースのここでのプレイは、とにかくまず出だしからしてすばらしく美しい
心にグッと染み入ってくるメロディアスなフレーズ
冒頭の1分くらいをリピートして聴いているだけでもいい
ベースとドラムが入ってからは明るい感じ
楽しそうにスウィングしているよう
非常にナチュラルな演奏で
余分な「力み」みたいなものを一切感じない
聴いていて実に気持ちよい演奏である
また違う時のやつだけど
似た雰囲気で映像をおひとつどうぞ
☆YouTube My Funny Valentine
- [2009/03/30 ]
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